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明尾 潔*; 明尾 庸子*; 坪田 一男*; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 小林 泰彦
no journal, ,
グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)はミトコンドリアと細胞質に存在し、活性酸素による生体膜リン脂質の傷害を防御する。イオンビームは照射組織の一定の深さで電離を起こす放射線であり、到達深度はイオン種と加速エネルギーによって異なる。これまでに、イオンビーム照射により培養網膜色素上皮のGPX発現が誘導されることを報告した。網膜血管内皮細胞(REC)の異常は加齢黄斑変性や糖尿病網膜症の病態の一つであり、今回、ヒト培養RECにHe, C, Neイオンビームを照射し、GPX発現がどのように変化するかLight Cyclerによりリアルタイムに観察した。線と異なり、照射した中で最もLET値が大きいNeイオンによる照射ではGPX発現が増加していた。LETが増加するに伴い、細胞損傷の質が変化し、GPX発現の増加が引き起こされた可能性がある。このことから、イオンビーム照射はGPX発現の誘導によりRECにおける酸化ストレス傷害を防御できる可能性があることが示唆された。